FORUM No.01 (2006.6.19)
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野辺公一 |
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SESSION
野辺公一×松村秀一×松井剛×山本想太郎 01工務店の可能性 |
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LECTURE04 web大賞と住宅考房 webでやっているのだから、登録工務店といった枠組みを外して、工務店web大賞をやろうとして昨年から工務店web大賞とブログ大賞というのをやっています。 工務店は第3世代へと移行 こうした活動をしていると、工務店の世代がずいぶん変わってきたことを実感しています[fig.4-01]。第一世代が技能中心型工務店で、第二世代が高気密、高断熱のような技術を駆使した技術中心型工務店だったわけです。第三世代はそうした技能や技術を住まい手にどのような形で価値として表出していくのか、ということを持った工務店ということになります。住まい手が納得する形に表出する力──僕はそれを「知術」と呼んでいますが──をもつ「知術型工務店」です。このタイプはweb対応を進化させています。この話を工務店にすると納得していただいて、この知術をどう深めるのかという議論しているところです。 fig.4-01 地域食材製造業者たちの宣言 このようなことを考えているのはわれわれだけではなく、地域食材製造業者たちも「良い食品づくりの会」というグループつくっています[fig.4-02]。これは徹底した地場食品で、スローフード運動よりも日本的でいいですね。よい食品の条件として「なにより安全」「おいしい」「適正な価格」「ごまかしがない」を挙げ、よい食品づくりの4原則として「良い原料」「清潔な工場」「優秀な技術」「経営者の良心」を掲げています。たまたま金沢に宮田さんという加賀麸の会社があるのですが、その工場でお麩を食べさせてもらったらすごくおいしくて、このような会があることを教えてもらいました。 fig.4-02 今後は「いてくれた」という喜びを顧客に与えられる時代にも 今後は、現実には仕事を引き受けられない廃業を決めた工務店や高齢の元請け大工が増加してきます[fig.4-03]。団塊世代の親の時代に建てた工務店に電話すると繋がらないことが圧倒的に多くなってきています。僕らのところにも30代の人たちが住宅を建てたいと相談に来ます。工務店に建ててもらいたいのかなと思うと違って、すでに大手に決めていて、そのなかから選んでもらいたいと言う。親が建てた頃の大工のところに行くともう仕事はしていないからというのがその理由です。 fig.4-03 社会的な存在としての工務店 先程、工務店が減った部分がリフォーム市場なんだ、というお話をしましたが、管理工務店不在のため起きる災害時の応急復旧などは社会的問題でもあります[fig.4-04]。ですから僕らは工務店の社会的存在性、可能性をもっと広げようと考え、マスター工務店に関わったと言えます。 工務店のビジネスは、基本的には職業的な関係性を顧客とどう築くかということです。元請けの大工・工務店には2つのプロセスがあって、家づくりのプロセスはある意味で医療的な専門性で、管理工務店のプロセスは介護的な専門性です。その2つのプロセスを工務店はもっているわけで、求められるマーケットに応じて、医療的な専門性が大きかった時代から、今後は介護的専門性が求められる時代になっています。新築ゼロでも工務店はどうやって存在するのかという時代に入っています[fig.4-05]。 そうした中でも工務店というものの存在は「地域に必要とされる」存在でありつづける、そんな地平をきちんと見出したいな、と考えています。 fig.4-04 fig.4-05 |
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